ショパン 夜想曲第8番 変ニ長調 作品27-2
8月から取り組んでいたショパンの夜想曲第8番のレッスンが終わったので備忘録もかねて弾き方などまとめます。
まだまだ弾きこなせていませんが、曲の理解・表現がある程度完成したので、一旦終わりとしました。
多少つまるところもありますが、譜面を見ながら一通り弾けるレベルです。
とても好きな曲なので、今後発表会などで弾く機会があれば再度取り上げることを検討しています。
レッスン回数は6回。練習期間は約2ヶ月です。
全体
楽譜
私はIMSLPでダウンロードしたものを使いました。
購入も検討しましたが、先生にも見ていただき指遣いなど大きな問題はない様なので、こちらをそのまま使いました。
購入する場合は、パデレフスキかナショナル・エディションが良いそうです。
音大生はナショナル・エディションを使うらしいですが、値段も高いですし・・・趣味で弾く分にはIMSLPで十分かと思います。
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譜読み
フラット5個に加えて、臨時記号がたくさん出てきて慣れるまでは譜読みが大変です。私は間違えて音を覚えてしまい何度も間違えてしまった所も何箇所か・・・。
コツは、楽譜をよく見ると半音階で下がっている音形が多々あるので、その様な構造を見つけて理解して弾くことです。
例えば、左手の6連符の頭の音(1拍目と4拍目)が半音階で下がっていく箇所が特に多いです。
6〜7小節目でDis-C-B-Bes-Asと下がっている箇所などです。
この様なパターンや、和声の移り変わりを理解していると弾きやすいと思います。
左手のタッチ
曲を通して静かな左手の伴奏が大切です。私は特に親指の音が飛び出てしまい苦労しました。注意するポイントは以下です。
- 手首を柔らかく、8の字を描く様に弾く
- 直接的なタッチではなく、指を伸ばして指のハラで弾く(角度をつけない)
冒頭
右手のメロディが本当に美しいです。
- 2小節目右手のFは腕を長く使い、重さをゆっくりかけるタッチで響かせる。 指のハラを滑らせる様に。
- 5小節目のAに向けて4小節目後半からクレッシェンド。Aは支える様に弾く。ヴィオラで弾くならたっぷりビブラートをかけたい音です。
- 9小節目の後半でフレーズを閉じる。そこまでは一連の流れ。
10小節目〜
冒頭のメロディに対する裏のメロディです。雰囲気をガラッと変えます。
- 3連符、5連符を均等に弾く。
- 装飾音は前に出す。自由に弾ける様に。
- 17小節目後半から18小節目に向けてクレッシェンド。18小節目は力強く、下降音形でdimしない。19小節目左手だけピアノに入る前に少しだけdim。
- 19小節目ピアノはフォルテとの対比をはっきりと。以降のフォルテ・ピアニッシモも同様に対比をはっきりとさせる。
- 22小節目後半からは和声の移り変わりを美しく。左手の和声がグラデーションで変化する。
26小節目〜
再び冒頭のメロディに。
- 32小節目後半は右手おさらいポイント。ここだけさらって暗譜して弾く。
35小節目〜
26小節目〜のメロディに対する裏のメロディ。また雰囲気を変える。
- 右手の上の音を柔らかく響かせる。臨時記号や装飾音符に注意。
- 39小節目から左手のベースの音を大切に。Gisの音を39〜41小節までよく響かせて、その後は半音階で降りていく。Baseのオクターブで広がりを持たせる。
- 43〜45小節にかけては縮節。46小節目に向けて緊張感を増していく。
47小節目〜
再び冒頭のメロディから、この曲一番の盛り上がりへ。
- 53小節目右手はおさらいポイント。ここだけ取り出して暗譜する。4つの音ごとの塊でパターン化している。技術的にはこの曲で一番難しい場所ですが、con forza(力強く)弾ける様に。
- 58小節目からラストスパートへ向けて。3拍めのfzは思い切り弾いて続く下降音形でよりクレッシェンド。con fuoco(火の様に)。
- 59〜60小節目は61小節目へ向けて情熱的に。左手のベースの音の移り変わりが大好きでわくわくします。
- 61小節目がこの曲の一番の盛り上がりどころ。ここも暗譜してしまった方が弾きやすいです。かっこよくEsを響かせる。
63小節目〜
盛り上がりが終わり終末へ。やわらかく弾きます。
- 半音階をよく聞いて和声の移り変わりを感じる。
- 67小節目後半からは装飾音のついている8分音符を軽く。指はすぐに離して音を響かせる。
- 71小節目からは弱音ペダルでさらに小さく。二重唱の特に下の音を響かせる。
感想
ここ1年ほどブラームスの重たい曲を弾いていたので、ゆっくりうたう系の曲が弾きたくてショパンの夜想曲から選びました。
夜想曲を全て聞いて、一番耳に残って気に入った曲が8番でした。
最初は臨時記号や装飾音に惑わされなかなかスムーズに弾けず大変でしたが、後半からは美しいメロディを弾きながら楽しむことができました。
私は音の粒をはっきり、縦がはっきりというタイプではなく、横の流れを先に意識するタイプの様なので、弾き方的にも向いていたらしいです。
確かにブラームスよりも弾きやすかった気がします。
レッスンを通して、より好きな曲になりました。もっともっと自由に、美しく弾ける様になりたいものです。
冒頭のメロディはもちろんですが、58小節からの盛り上がりがお気に入りポイントです。
夢の中にいる様に優雅で、それでいて力強さもある曲でした。
演奏する機会があればまた取り上げたいと思います。